春節分

令和6年2月3日春節分の砌
当山吉例の星祭り供と追儺を
無事修行いたしました。

ご結縁みなさまには
神仏ご霊光ご加護のもと
おだやかな春をお迎えいただけますよう
祈念いたします。

伊豆沼

渡り鳥の越冬地で有名な伊豆沼、寺から北へ自動車で20分程に位置します。

2024年1月25日朝(住職撮影)

冬の氷

お大師様のことばを紹介します。

如冬凍遇春即泮流
金石得火即消鎔
諸法皆従縁生無自性

冬の凍(こおり)、春に遇えばすなわち泮(そそ)ぎ流れ、
金石も火を得ればすなわち消鎔(しょうよう)するがごとし。
諸法はみな縁より生じて自性(じしょう)なし。

『三摩耶戒序』より 

勝又俊教編『弘法大師著作全集第2巻』p.144参照

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智積院金堂

高野山根本大塔

11月29日から12月1日
総本山智積院と高野山を
総勢19名で巡拝。
お大師様ご誕生1250年に、
ご縁を深めることができました。

本年おかげさまでつつがなく
お不動さまにお勤めすることができました。
ありがとうございました。
ひきつづき来年もよろしくお願いいたします。
天下の泰平、
ご結縁皆さまのご健勝弥栄を重ねて祈念致します。

住職

心海の岸

お大師様の言葉を紹介します。

欲達心海岸
しんかいのきしにたっせんとおもわば
不如棹船
ふねにさおささんにはしかず
不合談船筏虚實
せんばちのこじつをだんずべからず
『性霊集10』「理趣釈経答書」より

悟りの岸に至ろうと思えば、
まずは船を出して棹を挿すべきである。
船や筏の性能を論じるだけでは岸に渡れない。(近藤訳)

近藤堯寛著『空海名言辞典』(高野山出版社)p.259参照
『弘法大師空海全集6』p.667f.参照

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11月23日お聖天さまの大祭「大根炊き」が厳修

お団と二股大根

二股大根献膳行列

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11月26日注連縄奉製

91歳手作りの小手縄(スゲ製)が奉納

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向寒の折柄、体調管理ご留意ください。
世界に生きる一人ひとりが、平和で安心して
新しい年をお迎えすることができますように、
ご結縁皆さまのご多幸を重ねて祈念いたします。

円融無礙

円融無礙
えんゆうむげ

お大師様のことばを紹介します。

お大師様の悟りを説明した
『即身成佛義』の一文。

重重帝網
名即身者。
是即挙譬喩
以明諸尊刹塵
三密圓融無碍。
「じゅうじゅうたいもう
みょうそくしん」とは、
これすなわちひゆをあげて
もってしょそんのせつじんの
さんみつえんにゅうむげなることをあかす。

諸仏身口意の三密と
宇宙を構成する5つの要素と
私自身が、
時空をこえて、
無数に互いに響き共鳴し
融和している。(住職意訳)

一関市藤沢町円融寺の扁額

令和5年10月12日
松尾山円融寺中興開山550年
記念事業落慶式が厳修

参照:
『十巻章訓読編』(真言宗智山派2023年)
福田亮成編『空海用語辞典II』(山喜房2003年)

即身成仏

お大師様の言葉を紹介します。
この詩文は
龍猛菩薩造『菩提心論』の結びに記され、
お大師様の『即身成仏義』『秘蔵宝鑰』に引用される
最も重要なもの。
その内容は必ず師のもとで実習します。

若人求佛慧
もしひとぶってをもとめて
通達菩提心
ぼだいしんにつうだつすれば
父母所生身
ぶもしょしょうのしんに
速證大覚位
すみやかにだいかくのくらいをしょうず

仏の智慧を求め、
悟りを求める菩提心を決意すれば、
この身体に悟りを得ることが保証される。

参照:近藤堯寛著『空海名言辞典』
高野山出版社(平成31年改定版第2刷)

真如非外

馬頭観音堂 8月28日朝

つらいときや苦しい時、
その原因は外にあると思ってしまう。
他人のせいにしてしまいがち。
でも解決する鍵は自分自身。

お大師様の言葉を紹介します。
『般若心経』解説の序文一部です。


夫佛法非遥
心中即近
真如非外
棄身何求
迷悟在我
則発心即到
明暗非他
則信修忽証

夫(そ)れ仏法(ぶっぽう)、遥(はるか)に非(あら)ず。
心中(しんじゅう)にして即(すなわ)ち近(ちか)し。
真如(しんにょ)、外(ほか)に非(あら)ず。
身(み)を棄(す)てて何(いずく)んか求(もと)めん。
迷悟(めいご)、我(わ)れに在(あ)れば
発心(ほっしん)に即(すなわ)ち到(いた)る。
明暗(みょうあん)、他(た)に非(あら)ざれば
信修(しんしゅ)に忽(たちま)ちに証(しょう)ず。

『般若心経秘鍵』より
参照『十巻章訓読編』(令和5年3月、真言宗智山派)

夏月涼風

暑中見舞い申し上げます。
お大師さまの言葉を紹介します。

夏月(かげつ)の涼風(りょうふう)
冬天(とうてん)の淵風(えんぷう)
一種(いっしゅ)の気(き)なるも
嗔喜(しんき)同(おな)じからず

夏の日にそよぐ涼風
冬の日に吹きわたる川風
おなじ一つの気ではあるが
人が喜んだり
腹を立てたりするのは
同じではない

『性霊集』巻第一「徒に玉を懐く」より
『弘法大師空海全集』第6巻p.179f.参照

寺の西側より住職撮影(7月27日)
田んぼの向こうに諸堂と加護坊山を望む

お盆月を迎えます。
こころおだやかにお過ごしください。

人よく道を弘む

(松景院大師堂)

6月15日はお大師さまの誕生日
本年はご誕生1250年慶讃年

お大師さまの「ことば」をご紹介します。


筏(いかだ)はよく済(わた)し、
車はよく運ぶ。
然れどもなお、御(ぎょ)する人なければ
遠きに致すこと能わず。
柁(かぢとる)師なければ
深きを越ゆること能わず。
道もまたかくのごとし。
人を導くは教なり。
教を通ずるは道なり。
道、人なきときは
則ちふさがり、
教、演(の)ぶることなきときは
則ち廃(すた)る。

… 中略 …

いわゆる(『論語』衛霊公15)
「人よく道を弘(ひろ)む」という。
この言(こと)、実(まこと)なるかな。

「故贈僧正勤操大徳影讃并序」
『弘法大師空海全集第6巻』p.651ff.
他参照

空と雲

高野山で過ごすお大師様は
その光景を詩文にしています。

意(こころ)ある天公、
紺の幕を垂れたり。
龍王篤信にして
白き帳陳(とばりつら)ねたり。

天はわれに同情してか、
紺色の幕(青空)を垂れた。
雨を司る竜神はあつく信頼して
白い雲をたなびかせた。

山中に何の楽(たのしみ)かある
「遍照発揮性霊集巻第1」より
(『弘法大師著作全集第3巻』参照)

御瀧三十六童子