早春に遇う

本堂前の垂れ梅のツボミ (2023年1月28日)

本年令和5年は弘法大師ご誕生1250年に相当。
お大師様の「ことば」を紹介し慶讃します。


「過因の詩」『拾遺雑集』7、『経国集』11
(読み下しと意訳は住職)

莫道此華今年發
いうことなかれ
このはなこんねんひらくと

應知往歳下種因
まさにしるべし 
おうさいしゅいんをくだすを

因縁相感枝幹聳
いんえんそうかんし 
しかんそびゆ

何況近日遇早春
なんぞいわんや
きんじつそうしゅんにあうをや

この花は今年に咲くというのではなく、過ぎし年に根を張る種が原因で、条件が互いに整って枝と幹が伸びたことを知るべきである。
ましてや厳しい寒さや困難を耐え、ようやくこの春を待って開くのだ。
【花は菩提心の喩え、その花が開くのを知るのは自分】